高齢者への身体的虐待
■高齢者への身体的虐待
介護疲れ等の理由から、介護者が高齢者に対して身体的虐待を行ってしまうケースは少なくありません。しかし、どのような事情があっても虐待は許されませんし、その程度によっては刑法上の犯罪が成立する場合もあります。
例えば、高齢者の身体を叩いたりすれば暴行罪が成立しますし、暴行の結果傷やあざができれば傷害罪が成立します。また、保護すべき義務のある人がこれを怠れば保護責任者不保護罪が成立します。
■高齢者に虐待をしてしまったら
もし高齢者に虐待をしてしまったら、今後繰り返すことのないように、具体的な対策をとることが重要です。まずは周囲の人や市町村役場の窓口に相談してみましょう。経済的に困っている場合には介護保険等を利用するという方法もあります。
■施設での虐待に気付いたとき
施設での虐待に気付いたときは、市町村に通報するという方法が有効です。通報を受けた市町村は事実関係の確認と協議を行い、適切な措置を講じることが義務付けられています(高齢者虐待防止法9条1項)。
高齢者自身は従業員をおそれて自分から言い出せないという場合も考えられますので、虐待に気付いた家族が適切に対処することが大切になります。
弁護士 寺岡幸吉は、成年後見制度・相続手続き・高齢者虐待等に関する法律相談を承っております。川崎市・横浜市・大田区・品川区にお住まいの方はぜひ一度ご相談ください。
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